「埼玉の中小企業に財務コンサルは必要か」から話は始まった
A社長:はじめまして。川越で製造業を営んでいるA社長です。従業員は18名、創業から24年になります。今日は正直、財務コンサルって本当にウチみたいな会社に必要なのかを聞きに来ました。
診断士:ありがとうございます。結論から言うと、埼玉の中小企業ほど財務コンサルの効果が出やすい場面が多いと考えています。特に「黒字なのに現金が減っていく」「銀行との会話がかみ合わない」「決算書を年に1回しか見ていない」——この3つのどれかに当てはまる会社ですね。
A社長:3つとも当てはまってます……。
診断士:多くの経営者がそうです。先日ある製造業の経営者とお話ししていたら、「利益は出ているのに、なぜか毎月末になると通帳を見るのが怖い」とおっしゃっていました。売上は前年比で7%伸びていたのに、です。これは典型的な資金繰りのすれ違いで、原因は在庫と売掛金の増加でした。
A社長:まさに同じ悩みです。売上が伸びると、なぜか手元のお金が苦しくなる。
診断士:成長期の会社ほど起きます。財務コンサルは、その「見えないお金の流れ」を数字で可視化するところから始めます。まずは全体像をつかむために 中小企業の財務コンサルは何をする?診断士が実務を解説 を読んでいただくと、イメージがわきやすいと思います。埼玉には従業員20名前後の製造・卸・建設業が多く、こうした運転資金の課題は地域全体で共通しています。
場面1:資金繰りが読めないとき
A社長:さっきの「通帳を見るのが怖い」って話、うちも本当にそうなんです。月末が近づくと不安になる。
診断士:それは資金繰り表がないか、あっても機能していないサインです。埼玉の中小企業を50社以上見てきましたが、資金繰り表を毎月きちんと更新している会社は3割ほど。多くは決算書だけで経営を判断しています。
A社長:決算書じゃダメなんですか?
診断士:決算書は1年に1回の「過去の記録」です。資金繰りは「これからの見通し」。別物なんですね。たとえば売掛金の回収が翌々月、支払いが翌月というズレがあると、売上が伸びるほど立て替える現金が増えます。これが運転資金の正体で、詳しくは 「黒字なのに資金が足りない」はなぜ起きる?運転資金の正体 にまとめています。
A社長:うちは材料を先に仕入れて、納品してから入金まで2か月かかります。
診断士:であれば、仕入れから入金まで約90日、その間の運転資金を常に抱えている計算になります。月商が仮に1,000万円なら、数百万円単位の現金が常に「動いている途中」で寝ているわけです。これを見える化する第一歩が資金繰り表です。作り方は 資金繰り表のつくり方|中小企業がまず整えるべき3つの表 で手順を追って解説していますよ。
A社長:表を作るだけで変わるものですか?
診断士:作るだけでは変わりません。ただ、先ほどの製造業の会社では、資金繰り表を3か月分先まで作ったことで「来月の20日に一時的に資金が薄くなる」と事前にわかり、支払いサイトの調整を先手で交渉できました。結果、資金ショートの不安から解放されたと。数字が見えると、判断が「怖さ」から「対処」に変わるんです。
場面2:銀行融資の交渉でつまずくとき
A社長:実は先月、取引銀行に運転資金の相談をしたら、思ったより渋い反応で。
診断士:どんな資料を持って行きましたか?
A社長:直近の決算書だけです。
診断士:そこなんですね。埼玉には地方銀行や信用金庫といった地元金融機関が根強く、地域密着で親身に相談に乗ってくれる強みがあります。ただ、担当者も稟議を通すには社内で説明できる材料が必要なんです。決算書1枚では「今どうなっているか」が伝わりにくい。
A社長:何を出せばよかったんでしょう。
診断士:試算表と資金繰り表、そして資金使途が明確な事業計画。この3点セットがあると信頼度がぐっと上がります。銀行が見ているポイントは 銀行融資の交渉で見られる5つのポイント|試算表で信頼を積み上げる に整理しました。特に「月次で試算表を出せる会社」は、それだけで管理体制が評価されます。
A社長:月次の試算表なんて、うちは年1回の決算のときしか作ってないです。
診断士:多くの中小企業がそうです。でも、月次で数字を締める習慣がある会社は、融資審査で有利になるだけでなく、経営判断のスピードも上がります。ある卸売業の会社では、月次決算を導入して4か月目に、銀行から金利0.3%引き下げの提案が向こうから来ました。「数字をきちんと出す会社」という信頼の積み重ねが効いたわけです。
A社長:向こうから、ですか。
診断士:ええ。金融機関との関係は、借りたいときだけ頭を下げるより、平時から数字で対話し続けるほうがはるかに強くなります。私たちはその対話の準備を伴走してお手伝いしています。
場面3:数字を使った経営判断ができないとき
A社長:正直、うちは勘と経験で走ってきた部分が大きくて。
診断士:それで24年続いているのは立派なことです。ただ、これから設備投資や人の採用を考えるなら、勘だけでは判断のリスクが大きくなります。たとえば新しい機械を800万円で入れるとして、それが何か月で回収できるか、月々の返済がキャッシュフローを圧迫しないか——数字がないと判断できません。
A社長:確かに、機械の話は感覚で「そろそろかな」で決めていました。
診断士:先日、坂戸市の建設業の経営者とお話ししたとき、粗利率を工事案件ごとに出したことがない、とおっしゃっていました。全体ではなんとなく黒字だから、と。でも案件別に分解したら、実は売上の大きい2件が赤字で、小さい案件が利益を稼いでいたんです。
A社長:それは怖い……。大きい仕事ほど儲かってると思い込んでました。
診断士:思い込みは誰にでもあります。大切なのは、数字で確かめる仕組みを持つこと。案件別の粗利、月次の固定費、資金繰りの見通し——この3つが見えるだけで、経営の解像度がまったく変わります。数字に強い経営とは、難しい財務理論を学ぶことではなく、判断のたびに手元の数字を確認できる状態のことなんです。
A社長:それなら自分にもできそうな気がしてきました。
診断士:他の経営者の事例も参考になります。ふだん書いている記事は 財務・経営ブログ一覧 にまとめているので、同じ規模の会社がどう課題を乗り越えたかが見えると思いますよ。
埼玉ならではの財務環境をどう活かすか
A社長:埼玉って、財務の面で何か特徴ってあるんですか?
診断士:あります。埼玉は東京に近く、製造業・物流・卸売の集積が厚い一方で、家族経営に近い中小企業も多い地域です。だからこそ、経理を社長や奥様が兼務しているケースが目立ちます。
A社長:うちも経理は妻がやってます。専任じゃないです。
診断士:それが悪いわけではありません。ただ、日々の入出金の記帳で手一杯になり、資金繰りの先読みまで手が回らないのが実情です。ここに外部の財務コンサルが入る価値があります。地域特有の話をすると、埼玉は地元の信用金庫や地方銀行との結びつきが強く、複数行と付き合っている会社も少なくありません。
A社長:うちも2行と取引があります。メインとサブで。
診断士:その場合、各行にバラバラの情報を出していると、かえって不信感につながることがあります。統一した試算表と資金繰り表を全行に同じ形で出すだけで、「この会社は管理がしっかりしている」と評価されるんです。地域の起点としての具体策は 埼玉の中小企業が資金繰り改善する3つの起点 にまとめました。埼玉エリアでの支援内容は 埼玉の中小企業向け 財務コンサル のページでも紹介しています。
A社長:地元の金融機関との付き合い方まで見てもらえるんですね。
診断士:そこが伴走型の強みです。単に表を作って終わりではなく、金融機関との対話の場面まで一緒に走ります。
財務コンサルを入れる前に自社でできること
A社長:いきなりコンサルを頼む前に、自分で準備できることはありますか?
診断士:もちろんあります。まず3つ。1つ目は、直近3か月分の通帳の入出金を眺めて、「毎月必ず出ていくお金」を把握すること。家賃、給与、返済、リース料——これが固定費の骨格です。
A社長:それくらいならすぐできそうです。
診断士:2つ目は、売掛金と買掛金の回収・支払いサイトを紙に書き出すこと。「いつ入ってきて、いつ出ていくか」のズレが資金繰りの肝です。3つ目は、直近の試算表を税理士さんから毎月もらうようお願いすること。多くの場合、頼めば出してもらえます。
A社長:意外と、頼んでないだけかもしれません。
診断士:そうなんです。先日ある経営者は「試算表を毎月ください」と伝えただけで、経営の見え方が変わったと言っていました。月次で数字を見る習慣は、それだけで判断の質を上げます。ちなみに、こうした基礎を体系的に学べる 財務セミナー(無料) も各地で開催しているので、まず全体像をつかむのも一つの手です。
A社長:無料なら気軽に参加できますね。
診断士:ええ。財務は難しく身構えなくて大丈夫です。数字を見る習慣が身につけば、あとは判断が積み重なっていくだけ。私たちザイプラがどんな会社かは 会社概要・中小企業診断士による支援内容 で確認していただけます。
相談するタイミングと、その後の伴走
A社長:正直、もっと早く相談すればよかった気がしてきました。相談って、どのタイミングがいいんでしょう?
診断士:一番いいのは「困る前」です。ただ現実には、資金が苦しくなってから相談に来られる方が7割ほど。それでも遅くはありません。ただ、資金ショートの2週間前と3か月前では、打てる手の数が10倍違います。
A社長:2週間前だと、もう選択肢がないってことですか。
診断士:かなり狭まります。3か月あれば、支払いサイトの交渉、融資の申込み、経費の見直しと、順番に手を打てます。だから資金繰り表で先を読むことが、そのまま選択肢の多さになるんです。
A社長:先を読むための表、やっぱり作らないとダメですね。
診断士:一緒に作りましょう。私たちの支援は、表を渡して終わりではなく、毎月の数字を一緒に見ながら次の一手を考える伴走型です。埼玉・東京を中心に、神奈川・千葉、リモートなら全国どこでも対応しています。初回のご相談は無料なので、まずは今の悩みを聞かせてください。
A社長:今日話しただけでも、頭の中が整理されました。ぜひお願いしたいです。
診断士:ありがとうございます。数字に強い経営を、いっしょに作っていきましょう。まずは 初回相談無料の株式会社ザイプラ までお気軽にご連絡ください。東京・埼玉エリアの支援については 東京の中小企業向け 財務コンサル もあわせてご覧いただけます。