「財務の相談、どこにすればいいのか」から始まる話
診断士:今日はよろしくお願いします。まずは今いちばん困っていることから聞かせてください。
Mさん:埼玉で製造業をやっているMと申します。従業員18名、売上は年商でだいたい2億8000万円ほどです。実は「財務の相談って、どこにすればいいのか」がずっと分からなくて。税理士さんはいるんですが、節税や申告の話が中心で、資金繰りの相談には物足りなくて。
診断士:それ、埼玉の中小企業からいちばん多くいただく質問なんです。先日ある経営者の方とお話ししていたら、「困ったときに相談する場所が3つも4つもあって、逆にどこにも本気で相談できていない」とおっしゃっていました。相談先が分散すると、誰も会社の数字を横断的に見てくれない状態になりがちなんですね。
Mさん:まさにそれです。銀行には銀行の話、税理士には税理士の話をして、全体像を見てくれる人がいない。
診断士:結論から言うと、財務の相談先は「目的別に使い分ける」のが正解です。申告・節税は税理士、融資の実行は金融機関、資金繰りの仕組みづくりや経営全体の数字は中小企業診断士や 財務コンサルティングを軸にしたザイプラの支援内容 、というふうに役割を分けて考える。今日はその地図を一緒に描いていきましょう。埼玉は東京に隣接しながら製造業や卸売業の集積があって、地域特有の資金繰りの悩みもあります。そのあたりも含めてお話しします。
Mさん:地図、ありがたいです。一つずつお願いします。
選択肢1:税理士は「過去の数字」、財務相談は「未来の数字」
Mさん:まず素朴な疑問なんですが、うちには顧問税理士がいます。それでも財務の相談って別に必要なんですか?
診断士:いい質問です。税理士さんの主戦場は「過去の数字」なんですね。決算・申告・節税、つまり終わった1年をきれいにまとめる仕事。これはこれで必須です。一方で財務の相談というのは「未来の数字」を扱います。3か月後に資金が足りるか、半年後に設備投資できるか、来期の利益をどう作るか。時間軸がまったく違うんです。
Mさん:なるほど、過去と未来。
診断士:先日ご相談いただいた埼玉の卸売業さんは、税理士さんの決算では黒字だったのに、翌月の支払いで資金が240万円ほど足りなくなりかけました。利益と現金は別物なので、決算書上は黒字でも手元資金がショートすることは普通にあるんです。このとき必要なのは「来月いくら入っていくら出るか」を予測する資金繰り表で、これは税理士さんの通常業務の範囲外なことが多い。
Mさん:うちも黒字なのに月末になるとヒヤヒヤします。
診断士:それはまさに「未来の数字」を管理できていないサインです。資金繰り表を13週先まで作るだけで、危険な週が2〜3か月前に見えるようになります。税理士さんと財務相談は競合するものではなく、役割分担の関係。埼玉の中小企業がどう財務コンサルを活用しているかは 埼玉の中小企業が財務コンサルティングで伸びる話 にも実例を書いているので、税理士さんとの併用イメージが湧くと思います。
Mさん:両方いていいんですね。安心しました。
選択肢2:地元金融機関との付き合い方が埼玉ではカギ
Mさん:埼玉だと地銀や信用金庫との付き合いが多いんですが、金融機関に財務相談するのはアリですか?
診断士:アリですが、注意点があります。金融機関はあくまで「お金を貸す立場」なので、相談内容がどうしても融資に寄るんです。埼玉は地元密着の信用金庫や地銀が強い地域で、私が支援した会社でも取引先の6割以上が県内金融機関でした。担当者との関係が良ければ、これは大きな武器になります。
Mさん:担当者、よく代わるんですよね。3年で2回代わりました。
診断士:そうなんです。金融機関の担当者は平均で2〜3年ごとに異動します。だからこそ、会社側が自分の数字を語れる状態にしておくことが重要になる。担当者が代わっても、こちらが月次試算表と資金繰り表をきちんと出せれば、信頼はリセットされません。逆に「数字は税理士に任せてます」だと、担当者が代わるたびに関係づくりを一からやり直すことになります。
Mさん:数字を自分で語れる、か。耳が痛いです。
診断士:埼玉の金融機関は地域の景気や取引先の状況にも詳しいので、うまく付き合えば情報源にもなります。ポイントは「決算のときだけ会う」のではなく、四半期に1回、業績と見通しを共有すること。年4回接点を持つ会社と年1回しか会わない会社では、いざ融資が必要になったときのスピードが体感で1.5倍以上違います。創業期の融資については 創業融資サポートは埼玉でどう受けるか診断士が語る実務 で金融機関との具体的な進め方をまとめています。
Mさん:四半期に1回、さっそくやってみます。
選択肢3:中小企業診断士は「横断的に数字を見る」役割
Mさん:中小企業診断士って、正直どんなときに頼るものなんですか?
診断士:一言でいうと「会社全体を横断的に見る」役割です。税理士は税務、金融機関は融資、社労士は労務、と専門が縦割りになりがちなんですが、経営の数字はそれぞれがつながっています。売上を伸ばす施策が資金繰りを圧迫することもあれば、人を増やす判断が利益を削ることもある。この全体のバランスを数字で見るのが診断士の仕事です。
Mさん:たしかに、うちも設備を入れたら資金が一気に苦しくなったことがあります。
診断士:それが典型例です。設備投資1200万円を自己資金だけで賄おうとして、運転資金が細ってしまうケース。診断士が入っていれば「800万円は融資で、400万円を自己資金で」といった資金の組み立てを最初から設計できます。投資の判断そのものではなく、投資をどう資金面で成立させるかを一緒に考えるんですね。
Mさん:まさに後から気づいたやつです。先に相談したかった。
診断士:伴走型というのはそういうことで、決算のときだけでなく、投資や採用や値上げの判断の「前」に相談してもらう関係を目指しています。私たちがどんな体制で支援しているかは 中小企業診断士による支援内容を紹介した会社概要 にまとめてあります。診断士は国家資格なので、経営全般を体系的に学んだうえで数字を見る点も安心材料になるかと思います。
Mさん:判断の前に相談。この発想がなかったです。
選択肢4:財務コンサル・財務顧問という選び方
Mさん:財務コンサルとか財務顧問という言葉も聞きますが、これは診断士とは別物ですか?
診断士:重なる部分が多いです。財務コンサルティングは「財務に特化した継続支援」を指すことが多く、資金繰り表の運用、月次のモニタリング、金融機関対応、経営計画づくりまでを月額で伴走するイメージです。診断士がその担い手であることも多いんですね。
Mさん:月額だと、うちみたいな規模でも頼めるものですか?
診断士:規模によって設計します。従業員10〜20名の会社なら、まずは月次で数字を見る軽めの契約から始めるケースが多いです。いきなりフルパッケージではなく、資金繰り表の整備から入って、慣れてきたら経営計画に広げる。段階を踏むと費用対効果が見えやすくなります。
Mさん:選ぶときの基準ってありますか?
診断士:3つあります。1つ目は「未来の数字を扱えるか」。過去の集計だけなら税理士で足ります。2つ目は「金融機関対応まで踏み込めるか」。埼玉の地元金融機関との交渉に同席できるかは大きな差になります。3つ目は「自社が経験ある業種か」。製造業と小売業では資金繰りの癖がまったく違いますから。選び方の詳しいチェックポイントは 財務顧問を東京の中小企業が選ぶときの7つの問い にまとめていて、埼玉の会社にもそのまま当てはまります。
Mさん:3つの基準、メモしました。
診断士:先日相談に来られた埼玉の建設業の方は、この基準で3社を比較して、金融機関同席の可否を決め手に選ばれました。合う相手を選ぶと、支援の満足度が段違いになります。
選択肢5:無料の相談窓口・セミナーから始める手もある
Mさん:とはいえ、いきなり契約はちょっと勇気がいります。まずお試しできる方法ってないですか?
診断士:あります。埼玉には公的な相談窓口がいくつもあって、商工会議所や県の支援機関、よろず支援拠点などは無料で相談できます。まずここで課題を整理するのは賢いやり方です。ただ、公的窓口は担当者が毎回代わることも多く、継続的な伴走には向きません。あくまで「入口」として使うのがいいですね。
Mさん:入口、なるほど。
診断士:それから、財務の全体像を無料でつかむなら 無料で参加できる財務セミナー一覧 を覗いてみるのも一つの手です。資金繰り表の作り方や決算書の読み方といったテーマを2時間ほどで学べるので、自分の会社に何が足りないかが見えてきます。セミナーで基礎を押さえてから個別相談に進むと、話が早いんです。
Mさん:いきなり1対1より、セミナーのほうが気楽かもしれません。
診断士:そうなんです。実際、当社のセミナー参加者のうち、その場で悩みが整理できたという声が多く、そこから個別相談に進む方も一定数いらっしゃいます。無料で試して、合うと感じたら次に進む。この2段階だとリスクがほぼゼロですよね。ほかにも財務のヒントは 財務・経営のブログ記事一覧 に記事として蓄積しているので、通勤中などに読んでもらうのもおすすめです。
Mさん:ブログ、読んでみます。段階を踏めるのは助かります。
選択肢6:埼玉の中小企業ならではの財務の悩みどころ
Mさん:埼玉特有の財務の悩みって、何かありますか?
診断士:いくつかあります。まず埼玉は東京への通勤圏で人件費が上がりやすく、人材確保のコストが利益を圧迫しやすい。私が見た会社でも、この3年で人件費が12%ほど上がったケースがありました。売上が同じままだと利益は目に見えて減ります。
Mさん:うちも採用に苦労していて、時給を上げざるを得なくて。
診断士:それから、埼玉は製造業・卸売業の下請け・中間流通が多く、売掛金の回収サイトが長い会社が目立ちます。締めて翌々月払い、つまり回収まで60日以上かかると、その間の運転資金を自前で回さないといけません。売上が伸びるほど資金が先に出ていく「増収資金」の罠にはまりやすいんです。
Mさん:まさに、忙しいのにお金がない状態です。
診断士:それは経営が悪いのではなく、構造の問題なんです。だからこそ資金繰り表で「回収と支払いのズレ」を可視化することが効きます。東京の事例ですが進め方は共通で、 資金繰り改善を東京の中小企業がどう進めたかの実例集 が参考になります。埼玉の会社でも、回収サイトの見直しと短期融資の組み合わせで、手元資金を1.5か月分から2.5か月分に厚くできた例があります。
Mさん:1か月分厚くなるだけで、だいぶ眠れそうです。
診断士:手元資金は「安心の量」です。埼玉の地域環境を踏まえた資金設計は、 埼玉の中小企業向け財務コンサルの対応エリア案内 でもご紹介しています。地元をよく知る相手だと、地域の商習慣まで込みで相談できるのが強みですね。
選択肢7:相談先を1本化して「数字に強い経営」に変える
Mさん:ここまで聞いて、相談先が多いこと自体が問題だと分かってきました。
診断士:まさにそこなんです。税理士・金融機関・診断士、それぞれ役割は違いますが、会社の数字を「束ねる中心」が必要です。その中心役を財務コンサルや財務顧問が担うと、全員が同じ数字を見て動けるようになります。私たちが伴走するときは、税理士さんとも金融機関とも情報を共有して、経営者が同じ説明を何度もしなくていい状態を作ります。
Mさん:あちこちに同じ説明をするの、本当に疲れるんです。
診断士:その負担が消えるだけで、経営者は本業に時間を戻せます。ある埼玉の経営者は、財務まわりの調整に月10時間ほど取られていたのが、窓口を1本化して月2〜3時間まで減りました。差の7時間を営業に回した結果、翌期の売上が伸びたんです。
Mさん:財務の相談が、結局は売上にもつながるんですね。
診断士:そうなんです。数字に強い経営というのは、難しい会計知識を持つことではなく、「自社の数字を見て次の一手を決められる」状態のこと。埼玉の中小企業が財務相談をどこにすべきか迷ったら、まずは目的を整理して、束ねてくれる相手を1人持つことから始めるのがおすすめです。東京の事例ですが変化の全体像は 東京の中小企業が財務コンサルティングで変わる話 にも書いています。
Mさん:今日で頭が整理できました。まず何から動けばいいでしょう。
診断士:資金繰り表を13週分作ってみること、そして四半期に1回金融機関と数字を共有すること。この2つだけでも会社は変わります。株式会社ザイプラは東京・埼玉を中心に、神奈川・千葉、リモートで全国の中小企業を中小企業診断士が伴走支援していて、初回相談は無料です。どこに相談すべきか迷った段階でこそ、気軽に声をかけてもらえたらと思います。数字に強い経営を、いっしょに作っていきましょう。