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財務コンサルタントが東京の中小企業から受ける相談【コストからみた人材】

東京は人件費が全国的に見ても高水準。さらに最低賃金は近年、年50円以上のペースで引き上げが続き、パート・アルバイトを含む人件費は固定的に上昇しています。人材は成長の源泉である一方、資金繰りを圧迫する大きなコストでもあります。本稿では、財務コンサルタントに寄せられる代表的な相談と打ち手を、具体事例とともに解説します。

1. 人件費と売上のバランスをどう取るか

最低賃金の継続的な上昇により、同じ人員構成でも人件費比率がじわじわ上がります。売上が横ばいのままでは粗利を圧迫し、月末の資金繰りを悪化させます。まずは 業種ごとの適正人件費率を基準に、売上計画と人員・シフト・昇給を連動させる設計が重要です。

  • 店舗・部門別の損益分岐点を再計算する
  • 時給改定とメニュー価格・提供量の見直しを同時に設計
  • 残業是正とシフト最適化(ピークタイム集中配置)

具体事例

飲食業A社(都内・多店舗):最低賃金が年50円以上上がり、年間人件費が約500万円増。財務コンサルタントが 店舗別の人件費率(売上対比)を可視化し、ピーク外時間帯の人員を削減。加えて原価と価格の見直しを伴う 損益分岐点の再設計を実施。結果、赤字2店舗を黒字転換し、賃上げ分を吸収できる体制に改善。

2. 採用コストと定着率の関係

東京の採用市場は競争が激しく、求人広告や紹介手数料が高騰。最低賃金上昇による初任給の底上げも重なり、採用単価の回収が難しくなっています。そこで 「採用コスト ÷ 在籍月数」で投資の回収度合いを測り、定着施策とセットで設計することが重要です。

  • 採用チャネル別のCPA(採用単価)と在籍期間の可視化
  • オンボーディング標準化(30-60-90日プラン)で早期離職抑止
  • 紹介・リファラルの強化で外部手数料を抑制

具体事例

IT企業B社:エンジニア採用に紹介料80万円/名。半年で退職し、採用費が回収不能に。財務コンサルタントが チャネル別のROIを分析し、リファラル強化とオンボーディング改善に投資をシフト。結果、3年以内離職率が30%改善、 採用単価も大幅低下。採用費を「単なるコスト」から「回収可能な投資」へ転換。

3. 業務効率化による人材コスト削減

人手不足だからといって安易に採用を重ねると、最低賃金上昇とともに固定費が膨張します。まずは 業務棚卸しとボトルネック特定から。単純反復業務はITで自動化、または外注で変動費化を検討します。

  • 請求・経費精算・勤怠などバックオフィスの自動化
  • RPA/ワークフロー導入で属人作業を縮減
  • 経理・労務の一部アウトソースで固定費→変動費へ

具体事例

建設関連C社:事務の残業が月100時間超で追加採用を検討。業務分析の結果、請求書作成と入力作業がボトルネック。 財務コンサルタントがクラウド会計・ワークフローを導入し、経理の一部を外注。残業はほぼゼロ、新規採用不要に。 年間約400万円の人件費削減と生産性向上を同時に実現。

4. 人材育成とコストのバランス

賃上げ局面では教育費が真っ先に削られがちですが、行き過ぎた削減は離職・機会損失を招きます。 教育投資のROI設計で「やめる研修」「伸ばす研修」を仕分け、限られた原資を成果に直結させます。

  • 研修後KPI(離職率・売上/人時・CS)のトラッキング
  • 現場同行・ロールプレイ等の実務連動型に集中
  • 資格取得支援は役割定義と昇給テーブルに接続

具体事例

小売業D社:年間100万円超の研修費が効果不明。財務コンサルタントが「研修→行動→成果」指標を設計し、 接客・商品知識に投資を集中。離職率が低下し、客単価・リピートが改善。教育費を削減せずとも 費用対効果の最大化に成功。

まとめ

最低賃金が年50円以上で上昇する前提では、人件費設計=経営設計です。ポイントは ①適正人件費率の管理②採用ROIと定着の両立③自動化・外注で固定費を変動費化④教育投資のROI設計。 財務コンサルタントとともに、人材コストを「守り」と「攻め」の両面から再設計することで、 賃上げ環境でも資金繰りの安定と成長投資の両立が可能になります。

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