
資金繰りが悪化する本当の原因とは?見逃しがちな落とし穴
「売上もある」「利益も出ている」「節税もしている」
それなのに、なぜかお金が足りない…。
資金繰りに悩む企業の多くは、「お金が減る仕組み」をきちんと理解できていないことが原因です。
本記事では、経営者が見落としがちな“落とし穴”にスポットを当てて、資金繰り悪化の本当の理由を解説します。
売上が伸びても「資金繰り」が苦しくなるワケ
一見順調に見える企業ほど、資金繰りが悪化することがあります。
その代表的な理由は、売上がキャッシュインに直結しないという事実です。
例えば:
- 売上は立っているが、入金は2ヶ月後
- 売上に応じて原価や外注費が即時発生
- クレジット払いの仕入れが膨らむ
つまり、「数字上の黒字」と「実際のキャッシュ」は全く別物。
このギャップに気づかないと、知らぬ間に手元資金が減っていきます。
「利益重視」経営の落とし穴
多くの経営者は「利益を最大化しよう」と努力します。
しかし、利益ばかりを追いすぎると、かえって資金繰りが悪化することがあります。
たとえば:
- 節税のために無理な設備投資
- 減価償却費で帳簿上は黒字、でも現金は減る
- 利益を出すために高単価商材に偏り、回転が悪化
利益は「会計上の数字」でしかありません。
キャッシュフローに注目しない経営は、数字の罠にハマる危険があります。
実は怖い「成長による資金ショート」
事業が急成長しているとき、資金繰りが一番危険です。
人を増やし、広告費をかけ、仕入れや設備に先行投資をした結果、資金が足りなくなることはよくあります。
よくあるケース:
- 人件費が先に膨らむが、売上は後からしかついてこない
- クラウドファンディングで一時的な需要増 → 生産が追いつかず納品遅れ
- 売上急増により在庫負担・物流費・外注費が一気に跳ね上がる
📌 ポイント:成長=安定ではない
資金計画のない成長は、むしろ企業を危険にさらします。
実際に多い「見えない出費」
資金繰りを悪化させるのは、大きな支出だけではありません。
経費として認識しにくい、“じわじわ系”の出費がじつは大きな影響を与えることも。
よくある見落とし:
- サブスク型サービスの放置契約
- 取引先との「なんとなく続けている契約」
- 月数万円の経費の積み重ね
- 惰性で続けている広告・求人掲載
こうした支出は、「減らしても売上に直結しない」と思われがちですが、資金繰りを楽にするにはまずここから。
資金繰り悪化の前にできること
原因に気づいたときにはもう資金が足りない…では遅すぎます。
だからこそ、日々の経営判断で意識すべきポイントがあります。
- ✅ キャッシュフロー重視の経営
「今、現金がいくらあるか?」を最優先で考えるクセをつけましょう。 - ✅ 事業計画に資金繰りの視点を入れる
売上や利益だけでなく、「いつ入金されるか」「どれくらい手元に残るか」を見積もる習慣を。 - ✅ 見直せるコストは即見直す
まずは“固定費”から。「削っても大丈夫なもの」をすぐ洗い出してみてください。
まとめ:本当の原因は「気づいていないこと」
資金繰りが悪化する原因は、派手なミスではなく、気づかないうちに積み重なった“見逃し”であることが多いです。
・数字が読めない
・利益とキャッシュの違いがわからない
・成長の影で資金ショートしている
・支出の見直しを後回しにしている
このような「意識の盲点」にこそ、落とし穴が潜んでいます。
まずは一度、手元の数字を「キャッシュの視点」で見直してみましょう。
思わぬヒントが、そこに隠れているかもしれません。
この記事へのコメントはありません。