
資金繰り悪化の前兆を財務諸表から読み取る方法
「お金が足りない」と気づいた時にはもう手遅れ…。
そんな事態を避けるために重要なのが、財務諸表から資金繰り悪化の兆候を早めに読み取る力です。
この記事では、財務諸表のどこを見れば資金繰りの悪化を察知できるのか、初心者でもわかるように解説します。
そもそも「資金繰り」とは?
資金繰りとは、会社にとって必要な現金の流れを管理することです。
仕入れや人件費、家賃、税金などの支払いに対して、入金が足りなくならないようにするための管理が「資金繰り」です。
資金繰りが悪化すると…
- 給与が払えない
- 支払い遅延が発生
- 銀行からの信用が低下
- 最悪の場合、黒字でも倒産
財務諸表から見る「資金繰り悪化の兆候」
資金繰りの前兆は、貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)に表れます。ここでは3つのポイントに絞って解説します。
① 売掛金の増加
売掛金が増えているのに現金が増えていない場合、入金が遅れているか、売上が立ってもキャッシュが手元にない状態かもしれません。
📌チェックポイント
・売掛金の回収サイトは長すぎないか?
・回収遅れや未回収の取引先がないか?
💡アドバイス:売上高と売掛金の比率が高くなってきたら注意。
② 在庫の増加
在庫は「お金が商品という形で寝ている状態」。
売れ残りや過剰仕入れにより、資金が在庫に滞留してしまうと、資金繰りが苦しくなります。
📌チェックポイント
・在庫回転率が落ちていないか?
・棚卸資産が前年に比べて急増していないか?
💡アドバイス:在庫は多すぎても少なすぎてもNG。動きを常に把握。
③ 営業活動によるキャッシュフローの悪化(C/F)
キャッシュフロー計算書がある場合、「営業活動によるキャッシュフロー」を見てみましょう。
本業でキャッシュが増えていない場合、資金繰りの悪化が始まっているサインです。
📌チェックポイント
・営業CFがマイナスになっていないか?
・利益が出ているのに、キャッシュは減っていないか?
💡アドバイス:「利益」と「現金」は別物。キャッシュベースで考える癖を。
定期的なモニタリングが命
財務諸表は決算だけでなく、月次で確認する習慣が重要です。
- 売掛金・在庫・現金の推移を見る
- キャッシュフロー計算書を月次で作成
- 資金繰り表で3ヶ月先の資金を見通す
これらをやっておけば、資金ショートの前に「備える」ことができます。
まとめ:数字の変化は“サイン”です
資金繰り悪化は、いきなり起きるわけではありません。
小さな数字の変化に気づけるかどうかが、生き残れる企業とそうでない企業を分けます。
財務諸表を「専門家が見るもの」と思わず、経営者自身がざっくりでも見られるようになれば、資金繰りの悩みは必ず減らせます。
まずは月に一度、B/SとP/Lを見て、違和感を感じ取る練習から始めてみましょう。
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