
資金繰り悪化の原因は社長にあり?経営判断ミスの怖さ
「売上はそこそこあるのに、なぜか資金繰りが苦しい」
「気づけば、いつもお金に追われている」
そんな状態に陥っている企業の多くで、資金繰り悪化の根本的な原因は“社長の経営判断ミス”にあります。
この記事では、ありがちな経営者のミスとその結果起きる資金繰りの悪化について、実例を交えて解説します。
なぜ「社長の判断」が資金繰りに影響するのか?
資金繰りは、日々の売上や経費だけで決まるものではありません。
むしろ、会社のお金の流れは「経営者の意思決定」によって大きく左右されます。
例えば、以下のような判断が資金繰りを悪化させる典型です:
- 無理な設備投資をしてしまう
- 高額な人材を採用しすぎる
- 売上重視で採算度外視の受注を増やす
- 入金サイトと支払サイトのバランスを見ていない
- 予実管理をせず、数字を「感覚」で判断する
一見「攻め」の経営にも見えますが、現金が尽きればどれも意味を成しません。
よくある判断ミス①:利益は出てるのにキャッシュがない!
黒字倒産という言葉があります。
これは「利益が出ているのに、現金が足りずに倒産してしまう」状態のこと。
利益とキャッシュは違います。たとえ売上が上がっていても、売掛金の回収が遅れたり、支払が先行したりすると、キャッシュフローはマイナスになります。
📌 社長の落とし穴:
「今月は黒字だし大丈夫だろう」と思って支出を増やすと、手元資金が回らず資金ショート…というケースが少なくありません。
よくある判断ミス②:「勢い」で投資してしまう
将来の成長を見据えて設備や人材に投資するのは大切です。
しかし、キャッシュフローと照らし合わせた計画がなければ、それはただのギャンブルになってしまいます。
特に多いのが以下のようなパターン:
- 銀行融資で新店舗を出したが、初期コストばかりがかかり運転資金が足りなくなる
- 売上が増える前提で人員を急拡大したが、売上が追いつかず人件費が圧迫する
📌 社長の落とし穴:
「いける!」と思ってしまう直感的な判断。感覚ではなく、数字に基づいた投資判断が必要です。
よくある判断ミス③:資金繰りを「人任せ」にしている
中小企業では、経営者が財務まで細かく見ていないことも多いですが、これが大きなリスクになります。
- 経理担当者に任せきりで、資金の流れを把握していない
- 銀行との交渉や資金調達のタイミングを見誤る
- 月末に突然資金不足に気づく
📌 社長の落とし穴:
「誰かが見てくれているだろう」と他人任せにすると、致命的な資金ショートを招きかねません。
経営者が意識すべき「3つの資金繰り視点」
最後に、社長が意識すべき3つの視点をお伝えします。
- キャッシュフロー重視の経営
利益ではなく、現金の動きを常にチェックする。 - 定期的な資金繰り表の更新と確認
月ごとのキャッシュの出入りを見える化し、予測する。 - 「最悪のシナリオ」を想定した経営判断
楽観だけでなく、万が一を想定した備えを持つ。
まとめ:資金繰りは「社長の姿勢」で変わる
資金繰りが苦しいと感じているなら、まずは自分の判断を見直してみましょう。
数字に強くなる必要はありませんが、現金の流れに無関心でいることは経営者として致命的です。
資金繰りの安定は、会社の安定。
そしてそれは、経営者の意思決定ひとつひとつにかかっています。
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